【2020最新】税理士を雇うべき年収はいくらか?

フリーランスになったばかりの方、もしくはこれからなろうとしている方はもちろん今までフリーランスとして働いてきた中で税務処理が大変だと思っている方、税理士を雇うべきかどうか悩んでいませんか。

実際、税務処理にかかる負担が心配でフリーランスになれない人もいます。フリーランスだといろいろなものが経費で落とせて手取り年収が上がるという話はよく聞きます。でもそのためにたくさんの領収書をとっておいて整理して必要な計算をして、書類を作って…と考えると頭が痛くなるという人は多いのではないでしょうか。

そこで税理士を利用するという方法もあります。しかし当然税理士に仕事を頼むにはお金がかかるのです。もちろんお金を払ってでも絶対に自分でやりたくないという人は税理士に依頼するべきですが自分の手取りや利益、かかる手間によって考えたいという方もいると思います。そのため今回は税理士に仕事を依頼するのにいくらかかるのか、また自分の年収がいくら以上であれば依頼するほうが良いのかということについて解説したいと思います。

税金の仕組みを知る前に抑えておきたいポイント

この後から税金に関する話をしていきますが、前提として知っておいてほしいけれど以外と知られていない基本的なポイントを押さえておきたいと思います。

フリーランスと個人事業主の違い

さて、皆さまはフリーランスと個人事業主は同じだと思いますか?

本来ならば同じであるはずですが実際は同じにはなっていないというのが答えです。

もちろんフリーランス=働き方、個人事業主=税務上の括りという言葉の違いはあります。

しかしフリーランスとは即ち会社に雇用されず個人で仕事をしている人ですので本来であれば税務上もフリーランスの人は全員個人事業主であるはずなのです。

ではなぜ実際はそうなっていないのでしょうか。

実は個人事業主という税務区分になるには開業届を出さないといけないのです。本来ならばフリーランスとして働くなら全員が開業届を出すべきなのですが、出さなかったからと言って何か罰則があるわけではないのでそもそも開業届を出さないといけないということを知らずに出していない人が多いのです。

しかしフリーランスとして生計を立てていくなら絶対に個人事業主になった方が良いです。その方が税務上の優遇措置などもあり結果的にはメリットが大きいからです。

そのメリットについては次に記載したいと思います。

青色申告と白色申告の違い

確定申告の時に青色申告か白色申告か―というような話を聞いたことがあるかもしれません。簡単に言うと青色申告は書類づくりは大変だけどその分税務上の優遇措置があって、白色申告は何の優遇措置もないけど書類づくりが簡単だよーというものです。

でもそもそも青色申告をするためには開業届を出さなければいけませんので、個人事業主にならなければ税務上の優遇措置のある青色申告を選ぶことができないのです。

実際個人事業主として働いている人は基本青色申告を申請します。因みに青色申告は事前申請が必要で、いざ確定申告の時に青色申告が良い!と思っても事前に申請していなければできません。なのでまずは申請しておいて万が一書類の作成ができなかったら、青色申告の中でも10万円の控除枠か白色で申告するというのが一般的です。

詳しくは別の記事があります→※節税したいなら絶対!青色申告のメリットとデメリット http://free-engineer.xyz/tax-saving-blue-return/

そもそも税理士がやってくれることは何か

確定申告

税理士がやってくれることと言えばまず何と言っても年に一度の確定申告ですね。フリーランスの経験が浅い方やこれからなるという方はそもそも「確定申告っていったい何?」という状態かもしれませんね。ではまずは確定申告とは何か、やらなければいけないものなのか、ということについて解説していきます。

確定申告とは何か

確定申告とは毎年2月16日~3月15日の間に前年(1月1日~12月31日)の所得等について本来払うべき税金について計算し正確な税金を納める(もしくは多く支払った分を還付される)ために必要な書類を作成し税務署に提出することを言います。

確定申告はやらないといけないのか、と思っている方は必ずいると思います。答えはYESです。確定申告をやらなければいけない1番の理由は納税が国民の義務だからです。みなさんも人気のタレントさんが納税をしていないばかりに多額の追徴課税金を支払うことになった上に休業に追い込まれたニュースはご覧になったのではないでしょうか。※会社員で会社からの給与所得しかない場合には基本的には会社が年末調整をやってくれるので確定申告をする必要はありません。今回はフリーランスの方向けに書いていますので確定申告が必要な前提で記載をしています。

確定申告をする必要がある人については以下をご確認ください。

(国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

確定申告を怠るとどうなるのか

確定申告を怠った場合、つまり必要な税金を納めなかった場合は罰則がありますし、必要以上の税金を納めていた場合には大きなデメリットがあります。

具体的には以下のようなことが起こりえます。

1.罰金の徴収

もし必要な額の納税をしていなかった場合、その差額を支払わなければならないのはもちろんそれ以外にも簡単に言うと罰金が科せられることになります。

罰金(追徴課税金と言われることも多いです)とは正確に言えば①無申告加算税と②延滞税のことです。

①無申告加算税とは、書いて字のごとく期限内に、確定申告をせずに期限後の申告になったり、所得金額の決定を受けたりすると課される税金です。

各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。

なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。(ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(平成28年分以後)については、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%の割合を乗じた金額となります。)

国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm

②延滞税とは原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される利息に相当する税金です。詳細を確認したい方は国税庁のホームページをご参照ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm

因みに税金を納めていないと督促状が送られてきますがそれでも納めなった場合は強制的に徴収されますので、もし確定申告をする期限が過ぎてしまったとしても、気づいたら即座に納税したほうが確実に良いです。強制的な徴収とは以下のようなことです。

給与・預貯金・不動産等の差押え、さらには差し押さえた財産の換金(公売など)など、下図のような滞納処分を受ける場合があります。この一連の手続は法律に定められており、本人の意思に関わりなく執行されます。

埼玉県 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-tainouseiri.html

更にあまりに悪質な場合や金額が大きい場合は刑事責任を問われることもあります。

2.還付金を受け取れない

会社員で働いていた方は年末になると源泉徴収票というものが発行されていたかと思います。源泉徴収って何かよくわからずに受け取っていた方も多いのではないでしょうか。

フリーランスの場合は契約ごとに報酬を支払う側がその報酬を支払う際に、また会社員なら毎月の給与からあらかじめ所得税などの税金を差し引いて企業が代理で国に納めるシステムが源泉徴収です。しかしこれは本来控除されるはずの金額が控除されていない状態で徴収されるので実際に払わなければいけない金額よりも多く徴収されていることが多いのです。そのため確定申告をして正確な収入や控除される金額を申告すればその差額が還付されることがあるのです。

会社員の方は年末調整で会社がやってくれるのでなんだかわからないけどお金が返ってきたー!という経験もあるのではないでしょうか。

因みに会社員で働いている方も医療費が10万円以上かかっている場合などは、確定申告で還付金が発生する場合があります。年末調整では医療費控除は受けることができないためです。

また、フリーランスの場合は年末に源泉徴収がくるわけではなく、その契約ごとに支払調書などが発行されて源泉徴収税額という項目があるはずですので、確定申告の際には前年のすべての支払い調書を合わせて申告する必要があります。

国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/pdf/h31/23100038-01.pdf

顧問

もし毎月の仕分けの件数が多い方や、そもそも領収書を仕分けするのが耐えられないような方は毎月の顧問料を払って毎月の仕分けも税理士にやってもらうということが可能です。

上述しましたが、フリーランスの方が確定申告をするときにはよく「青色申告」と「白色申告」のどちらが良いかということが話題になりますよね。詳細は別の記事(※)に譲りますが、大半の方は控除額が多くて節税しやすい青色申告を選びます。そうすると毎月の帳簿もしっかりつけないといけなくなってとても大変です。結局帳簿がちゃんとつけられなくて青色申告を申請していても10万円の控除しか受けられない申告をする方は少なくありません。

そういった方は顧問料を払ってでも税理士に帳簿付けを依頼するのも良いかと思います。

因みに顧問料は通常仕分け件数や売り上げによって金額が変わります。また税理士が行くか顧客が税理士事務所に行くかでも多少金額を変えている事務所も多いです。

※節税したいなら絶対!青色申告のメリットとデメリット http://free-engineer.xyz/tax-saving-blue-return/

その他

個人で働いているだけなら基本的には確定申告と、使っても毎月の仕分けくらいですがもし今後法人化しようと考えるようであれば経営のサポートもしてもらえます。具体的には法人設立や資金調達のサポート、経理業務全般や毎月の業績予想と黒字経営のためのアドバイスなど多岐に渡ります。ただどんな業務が得意かは税理士さんや事務所によって異なりますので、もし税理士に仕事を依頼する場合は先々どうしたいかも考えて探すとより良いと思います。

また、個人的には 相続税や贈与税の対応も依頼することができます。

フリーランスは税理士を雇った方が得なのか

月額顧問料について

まずは、税理士を雇うのはいくらくらいかかるのか知っていただきたいと思います。

これは対応規模や税理士事務所によっても異なりますので詳細は個別確認していただくことになりますがあくまで目安を提示したいと思います。

顧問料は個人で依頼する場合は大体月額3万円前後で設定している事務所が多いです。ただ、年収(売上)にもより金額を変えているところも多いですが、少なくとも1000万円以下で3万円を超える事務所はほぼないかと思います。それ以上の年収(売上)がある場合は2000万円で4万円、3000万円で5万円くらいに設定しているところもあります。逆に3万円以下でかなり安い金額で設定している事務所もありますが、そういったところは具体的にやってくれることと自分でやらなければいけないことをしっかり確認することをお勧めします。場合によっては後から追加料金を請求されることもありますので注意しましょう。

確定申告時の費用について

また、確定申告に際しては追加で料金がかかるのが普通です。

これは10万円~15万円くらいが相場であることが多いです。

もちろん確定申告のみ依頼するということも可能ですが、その場合毎月の帳簿はしっかりつけていることが前提です。つけていない場合はこの金額より多くの金額がかかる(結局顧問料と同程度になることもある)だけでなく、そもそも引き受けてもらえないということもありますので注意が必要です。

ただ、エンジニアとしてフリーランスで働いている場合は仕分けの量が少ないことが多いので直前ではなく前もって税理士さんに確定申告時だけというスポットの依頼をしておけば年間の仕分けも含めてやってくれる事務所もあります。この場合も事前の相談と実際の内容に齟齬が生じた場合は追加料金を取られる可能性もありますのでしっかり条件をすり合わせておく必要があります。

年収いくら以上であれば税理士をやとった方が良いのか

よく言われている税理士を雇う年収ラインは

a.課税所得 600万円以上、b.課税売上高1,000万円以上

の2通りです。

課税所得 600万円以上

この理由は簡単に言うと節税できた分の金額で税理士さんを雇えるから、ということです。

つまり青色申告をした場合65万円の控除があるので

600万円-65万円=535万円

535万円の課税所得の税率は20%なので、本来課税されるはずだった65万円の所得に対する税金は13万円、つまり青色申告にすることによって13万円の節税ができたということになります。

先ほど確定申告の際に税理士に依頼する金額は10万円~15万円と記載しましたが、要するにスポットで税理士に確定申告を依頼するとしても課税所得が600万円くらいないと節税できる金額よりも税理士に払う費用の方が高くなってしまうので、それでも税理士に依頼するかどうか、という選択を迫られることになるのです。それであれば無理して65万円の控除を受けるよりも白色申告や青色申告でも10万円の控除での申告にして自分でやれる限りやった方が良いというケースもあります。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000

国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

課税売上高 1,000万円以上

この1,000万円というのはさらに税務処理がややこしくなるタイミングです。課税売上高が1,000万円を超えた事業者(法人も個人も)は消費税の課税事業者となるのです。この消費税の計算はかなりややこしくなり簡単にここでご説明できる内容ではないくらいです。因みに売上というのはフリーランスの場合支払い調書に記載される支払金額が1,000万円を超えているかどうかです。この支払金額には消費税が含まれていますが現時点で消費税を払っていない事業者は消費税が含まれた額で1,000万円を超えていれば課税事業者となります。

(消費税の課税事業者について詳しく知りたい方は国税庁が出しているパンフレットをご確認ください。→https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/pdf/h23kaisei.pdf

通常フリーランスの方は従業員を雇っていないことが多いと思いますので基本的には1年間の報酬が1,000万円超えたらその2年後から消費税を納めることになります。(要件を満たした場合はその限りではありません。)

ただ、aの課税所得600万円以上というのは、そもそも課税所得が600万円以上になっているのかどうかを判断するのがとても難しく、そもそもそれを判断できる=確定申告ができているということなので税理士を依頼するラインはbの売上1,000万円か、まずは自分の年収に関わらず確定申告時のみ依頼してみるということになると思います。

税理士を雇えないが事務処理に自信がない場合の対処方法

これまで税理士を雇うメリットやその判断を下す報酬額について解説をしてきました。

とはいえ、確定申告時だけでも税理士を雇うのに10万円かかると言われて誰しもが税理士を雇えるわけではないと思います。そうなると自分でやるしかないわけですが、だからと言って自分一人ではどこから手をつけて良いのか、何を見たら自分でできるようになるのか全くわからないという場合も多いでしょう。

その場合はエージェントを頼るというのも一つの手です。

最近のエージェントでは確定申告等の税務処理を見据えて税理士を雇っているところもあり、無料で確定申告の勉強会を行っていたり、税理士を紹介してくれたりしています。

例えばPE-BANK(https://pe-bank.jp/)では確定申告説明会を複数のエリアで開催していたり、確定申告会として申告書・決算書などの提出書類の作成指導、税務署への提出代行、納税代行などのサービスを行っていたりします。(HP参照:https://pe-bank.jp/service/support/fitr/

また、レバテック(https://freelance.levtech.jp/)では無料で顧問税理士を紹介してくれて、通常料金の約半額で確定申告を代行してくれる他、税金対策における無料講演を行う場合もあるようです。(HP参照:https://freelance.levtech.jp/service/merit/accountant/

今エージェントを使っていなかったり、もしくは使っていてもそういったサービスがないエージェントだったりするのであればまずはエージェントを替えてみることも検討してはいかがでしょうか。

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まとめ

ここまででご自分が税理士を雇った方が良いかどうかのイメージができましたでしょうか。いずれにしても確定申告は決まった期限内で絶対にやらなければいけないですし、間違ってしまうと損をしてしまう可能性もあります。罰金や延滞金を甘くみると何年か経って発覚して思いがけない金額を請求されるということもあります。なので要は年収に関わらずご自分がそういった事務処理が得意かどうか、勉強できそうかどうかという点が1番の判断ポイントになるとは思います。

もちろん確定申告時には税務署で税理士による相談スペースが設けられますのでそこで相談することも可能です。しかしかなり混むケースが多いので長時間待つことを覚悟していた方が良いです。また、親切に教えてくれる税理士さんばかりではないので長時間並んだ挙句結局よくわからず帰ってくることになったという話も聞きます。長蛇の列で一人一人に割ける時間があまりないので仕方がないのかもしれませんが、確定申告は期限が決まっているのでそのタイミングでそんな状態では困りますよね。

今は帳簿をつけるために、フリーソフトでも良いものが出ているので自分が勉強する気があれば自分だけでできないことはないですが苦手だという意識がある方は早めに一度自分でやれるかどうか見ておいた方が良いでしょう。上述していますが確定申告時の飛び込みでの依頼は受け付けてもらえないケースも多いので十分注意してください。

納税は義務ですが払わなくて良いはずのお金を払うのは勿体ないですし、税理士に依頼するのをケチって自分の作業が膨大になるというのも勿体ないですよね。ご自身の状況とそのバランスを見てどちらが良いか判断してもらえればと思います。

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