フリーランス、個人事業主か法人か、どっち!
フリーランスとして活動するとなると、個人事業主としてやっていくか、法人としてやっていくかの選択をすることになります。
今回は個人事業主、法人、それぞれの比較と、結局どういう場合にどっちを選択すればよいのか、という事を考えてみたいと思います。
個人事業主、法人の比較
表にまとめて比較してみました。
比較項目 | 個人事業主 | 法人 |
開業・設立手続き | 開業届を出すだけ(0円) | 定款作成・登記が必要 (10〜30万円) |
事業の廃止 | 届出を出すだけ | 解散登記、公告等が必要 (数万円かかる) |
税金 | 所得税がかかる(5~40%) 経費に認められる範囲が狭い |
法人税(原則30%) 経費に認められる範囲が広い。逆に赤字でも法人税の均等割7万円。 |
赤字の繰越 | 3年(青色申告の場合) | 9年 |
決算 | 12月31日と決まっている | 決算時期を自由に決められる |
会計・経理 | 個人の確定申告(簡単) | 法人決算書・申告(税理士が必要なことが多い) |
生命保険 | 所得控除 | 全額経費になる |
社会保険(従業員分含む) | 会社負担分なし(5人未満の場合) | 会社負担分あり |
退職金 | 自分へは払えない | 自分へも家族へも払える |
信用 | 取引先や金融機関からの信用が低い | 取引先や金融機関からの信用が高い |
以上、11項目で比較してみましたが、
全体的に、低コスト、低メリットなのが個人事業主、高コスト、高メリットなのが法人という傾向があります。
つまり一定以上の規模の事業の場合は法人化によるメリットが、個人事業主の低コストというポイントを上回るという事です。
で、結局のところその分岐点はどこなのか。厳密なことはシチュエーションによって変わってきますが、ざっくり言って、
月約50万円以上の粗利が出る様なら、法人化したほうがお得!
というのも、個人事業主の場合、所得税がかかりますが、所得税は累進的で、所得が多いほど税率が高くなり、最高40%まで上がります。
それに対して法人税は原則一律30%であり、その他の税務上の項目で両者を比較した場合の分岐点が、粗利月約50万円という値であり、他の様々なメリットも受けられることから、粗利月約50万円以上なら法人化がお得という結論になるのです。
いかがだったでしょうか。
粗利で月50万円というのは経験を積んだフリーエンジニアの方であれば十分現実的な数字ではないでしょうか。
法人設立の費用や維持に関わる費用や手間などもありますので、十分検討されることをお勧めします。ご参考になさってください。