コミュ力を上げたいSE・プログラマーに向けたNLP講座②

IT業界で働くSEやプログラマーの皆さんは、1日の大半をPCとにらめっこしながら作業していることかと思います。日によっては、発した言葉が職場の同僚との挨拶だけだった・・というようなこともあるのではないでしょうか。このような環境では、もともとどんなに社交的で明るい人だって、コミュニケーション能力の低下は免れません。

また、ITエンジニアに対する評価基準として、スキルはもちろんのこと、コミュニケーション能力を重要視する企業が多くなっているのも事実です。

そんなジレンマに苦しむSEやプログラマーの皆さんのために、コミュ力アップの一つの方法として、NLPというものを簡単に紹介していこうと思います。今回はステップ②と称して、NLPにおいて人とうまく関わるのに役に立つ、メタモデルとリフレーミングというスキルについて学んでいこうと思います。

NLPとは??

NLPとは、Neuro-Linguistic Programmingの略で、「神経言語プログラミング」と訳されます。1970年代にリチャード・パンドラーとジョン・グリンダーの2人によって創始されたものです。2人は、当時の心理療法界において、劇的に成果を上げていたある3人の心理療法家の研究を通じて、共通する多くの事項を見つけました。それらの研究を言葉の使い方など、誰でも使えるように体系化したものがNLPです。現在では心理療法の場面だけでなく、日常生活や仕事の場面などで使われるようになりました。米国大統領、プロスポーツ選手、経営者と言った人たちもNLPを活用して成果を上げています。

NLPについて興味を持たれた方は専門の本やセミナーなどが数多く存在していますのでそちらを参考にしてみてください。ここでは語り尽くせないほどの研究が今なお続いていて、発展を続けています。

人とうまく関わる

■メタモデル

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メタモデルとは、質問によって、相手に気づきを与える方法です。私たちは、脳の中にある情報を言葉にする過程で、知らず知らずのうちに情報を省略・歪曲・一般化してしまっています。そして、元の情報を、言葉にする過程において、変形して歪めていることに、本人は気づいていないことが多いです。そう言った省略・歪曲・一般化を、質問により回復しようという試みが、メタモデルです。

例えば、結婚して数年経って子供のいる、ある家庭を例にして考えてみましょう。父親はバリバリの営業マン、母親は子育てをしつつも家計の足しに仕事もしています。子供を3歳としましょう。

ある日の夕方、母親が晩御飯の用意を終えようとしているところで、父親に営業先のお得意様から飲み会の誘いがあったとします。父親は仕事第一の人間なので、飲み会に行こうとします。けれど母親はせっかくご飯も作ったし、子供の世話もたまには見て欲しいということで、飲み会の誘いを断って欲しいと思っています。この時、母親の視点に経って考えると、どのようにすれば夫との関係を崩さずに、飲み会の誘いを断らせることができるでしょう。

あまり良くない例として、反射的に「そんなの断ればいいじゃない」と言うことです。これでは仕事の方を優先したい父親を、頭から否定するような言い方になってしまい、あまり良くありません。

このような時は、メタモデルを使って相手に気づきを与えるのが有効です。例えば、「飲み会を断ったらどうなるの?」と質問してみましょう。こう言われた父親は、「そういえば、〇〇さんとはついこの間付き合いがあったばかりだな。一回くらい断っても問題ないか。」と、考え直してくれるかもしれません。

それでも父親は、「お客様との関係が悪くなったらどうするんだ。一流の営業マンは皆こうしている。」と反論するかもしれません。こういう時は、「一流の営業マンって例えば誰のこと?」とか、「本当にその人はそういう行動を取っているの?」などと返すのもいいかもしれません。

このように、相手の言葉に何らかの省略・歪曲・一般化された情報があるなと感じた場合、アドバイスではなくて質問することで、情報を回復することができます。これをメタモデルの質問といいます。

メタモデルの原則

質問する時に注意したいのは、「なぜ〜ですか?」と言わないことです。「なぜ?〜ですか?」と原因を探るような質問はあまり建設的ではありません。また、それを言われた相手は責められていると感じたり、何か悪いことをやっているのではないかと感じてしまいます。

メタモデルの活用法

メタモデルは対人だけでなく、自分自身との対話においても使うことができます。私たちは無意識のうちに、心の中で言葉を使って内部対話をしています。そうした時に、自分自身に質問をすることによって、新たな気づきを得られたり、考えの制限をなくしたりすることができます。

■リフレーミング

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リフレーミングとは、ものの見方・考え方を変えることです。例えば、「日々の仕事が忙しすぎて、寝る間もないくらいだよ。」と嘆いている友人がいるとします。その時、「日々が充実してますね。」という別の価値観を加えて前向きな気持ちが引き出すことができます。

リフレーミングすることで、感情や行動を変えていくことができます。ネガティブに感じていたことを、ポジティブに感じることができるようになります。やりたくないと思って避けてきた行動を、やりたいと思うことができるようになります。対人におけるコミュニケーションでは、相手を否定しないことが大切になってきますが、リフレーミングは、異なった視点から価値観を加えることで、相手を否定せずに、円滑なコミュニケーションをとることができます。

リフレーミングの種類

○状況のリフレーミング

人それぞれの性格や特性などについて、それがどんな状況で役立つか想像してみるリフレーミングです。

・「無口です。」→「おしゃべりの人といるときに聞き役に回ることができますね。」

・「適当なところがあります。」→「細かい問題が起きたときに。くよくよと悩まない性格なんですね。」

・「悩みすぎるところがあります。」→「買い物などで失敗することが少なそうですね。」

○内容のリフレーミング

人それぞれの性格や特性などについて、内容そのものや意味を変えるリフレーミングです。

・「無口です。」→「落ち着きのある性格なんですね。」

・「適当なところがあります。」→「大らかなんですね。」

・「悩みすぎるところがあります。」→「慎重な性格なんですね。」

リフレーミングの活用法

メタモデルと同じく、リフレーミングも自分自身に使うことができます。自分自身の短所だと思っていたところに関して、リフレーミングを行うことで、それを長所に変えることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回説明した2つの技術は、対人に対してのみならず、自分自身についても効果が期待できそうだと思いませんか?

最近流行りのアドラー心理学でもそうですが、相手を直接的に変えることはできませんが、自分自身を変えることはできます。まずは、自分自身の中にある思い込みやかたよった価値観をいろいろな視点から見つめ直すことで、徐々に気持ちや性格を変えていきましょう。そうすれば、おのずとコミュニケーション能力も高まるに違いありません。

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