インフラエンジニアとは、ITやWebでインフラが意味するとことの「基盤」「下部構造」の設計・構築・運用・保守を業務とするエンジニアの総称です。
最近はAWSの登場により注目も集まり、高単価の案件の増加傾向にあります。
フリーランスエンジニアのエージェント別にインフラ案件の案件数を見て行き、オススメのエージェントを探しましょう。
今回の目次
ITインフラとインフラ案件
インフラとは、「生活に必要不可欠な物資やエネルギーを送り届けるための基盤」という意味です。本来の意味は水道・電線・道路・ガス管などを指します。
しかし、現在ではそれらに加えてPCやスマートフォンの普及によりインターネットなどのITが私たちの生活には必要不可欠なものとなりつつあります。
それらのITを利用するためにはPCやスマホといったデバイスとともにサーバー・ネットワークといったデータの受け渡しに不可欠なモノが必要です。そういったシステムやネットワークが正常に稼働するための環境を提供するのがインフラエンジニアです。
ネットワークやサーバといったいわゆるハードウェアだけでなくそのハードウェア上で動くOSやミドルウェアなどのソフトウェアもITインフラの一部で、インフラエンジニアはこういったOSやミドルウェアの知識に長けている必要があります。
また、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの呼称を一括りにしたものもインフラエンジニアとも呼びます。
自社でインフラを保持していたり社内で導入を検討している企業であれば、業界・規模を問わず募集されています。そういった会社のインフラ環境を整えることでサポート・支援を行なっていきます。
構築後も運用保守業務があるため、長期での参画が見込めるのがインフラ案件のメリットでもあります。
インフラ案件のエージェント別ランキング
早速、インフラ案件を探すためにフリーエンジニア向けのエージェントの求人情報を元に案件数ごとに調査してみました。(2019年9月に実施した調査であり、新着情報を主に掲載してあるエージェントのみを対象としています。)
順位 | エージェント | 案件数 |
1位 | 1304件 | |
2位 | 912件 | |
3位 | 356件 | |
4位 | 355件 | |
5位 | 297件 | |
6位 | 290件 | |
7位 | 231件 | |
8位 | 217件 | |
9位 | 192件 | |
10位 | 172件 |
補足としておくと、この内2位のクラウドテックと10位コデアルはどちらかというとリモート(在宅)ワークに特化したエージェントです。
レバテック・ジョブリー・ギークスは大手のITエンジニア専門のエージェントでインフラだけでなくその他の案件も充実しています。
ハイパフォーマーは高単価が売りのエージェント。技術に自信があったり、最近トレンドのクラウドのスキルに長けている人は是非選んでおきたいエージェントです。
その他は割と新しめのエージェントさんで、勢いがありやる気のあるエージェントという印象です。ベンチャーならではのサービスが期待できます。
フリーでインフラエンジニアを目指すなら、これらのエージェントから自分に合いそうな所を選び、複数のエージェントを登録しておく事をおすすめします。
インフラエンジニアに特化したエージェント
その他、インフラ求人のみに特化したエージェントも存在します。
インフラワールド | |
インフラエンジニア案件求人ナビ |
求人数こそ少ないですが、インフラエンジニアに特化したエージェントなので、コーディネーターもインフラ関連の知識に長けている可能性が高く、一考の価値ありです。
クライアントとの商談ではスキルの棚卸しを
冒頭にも軽く説明しましたが、インフラエンジニアとはWeb関連周りの環境を整える仕事です。
しかし、プロジェクトによってはそこらへんの認識が違っていたり要件定義・設計・構築・テスト(検証)・運用保守など、どの領域を担当するかで必要な知識もスキルも変わってきますから、商談中でのクライアントとのすり合わせや相談は絶対に怠らないようにしましょう。
インフラエンジニアとサーバーサイドエンジニア
また、サーバーサイドエンジニアとインフラエンジニアは混同しやすく分かりにくい職種です。
簡単にいうとサーバーサイドの仕事はサーバー内部の処理を担当するもので、必要とされる言語もJava、C、Go(コンパイル言語)やPHP、Ruby、Python(スクリプト言語)などの割と一般的な言語です。
反対にインフラエンジニアの仕事は主に(データベースも含む)サーバー自体の構築や設定・負荷分散、運用保守にあります。つまりサーバサイドエンジニアやフロントエンドエンジニアをシステム面で支える役割を担うのです。必要な知識も言語というよりunixやlinuxといったOSやミドルウェアの知識が求められます。ミドルウェアとはOSとアプリケーションの中間に位置するもので、ApacheやTomcat、MySQLなどあまり耳馴染みのないものを指します。
インフラエンジニアのメリット・デメリット
インフラエンジニアのメリットデメリットはざっと整理するとこんな感じです。
メリット
・業種を選ばないで仕事ができる
例えばフロントやサーバーサイドのエンジニアは開発言語やスタイルも属している業種に左右されやすいです。つまり異業界での転職に不利です。
しかしインフラエンジニアは業種によって業務の内容が大きく違ったりするようなことはありません。インフラに関する幅広い知識は要求されますが、一旦軌道に乗ればその技術や経験は他業種でも通用し、転職にも有利です。要するに潰しが効きます。
・仕事に没頭できる。個人プレーが多い
仕事内容が非IT人材に伝わらないという点で、クレームや修正を受けづらく、自分の作業や業務に没頭しやすいという部分はサーバーサイドエンジニアと共通します(個々人の働きが評価されにくいというデメリットもありますが)。しかしインフラエンジニアは良くあるプロジェクトのSEさんとは違い、個人での作業が多いといいます。自分の担当領域のインフラ作業ができれば良いので作業のスケジュールが調整しやすく、プライペートな予定のために業務を前倒しにしたり後の日にリカバーするといったことも可能です。
デメリット
・突然起こるトラブル障害対応
基本的にはマイペースに作業でき職場も平和的であることが多いインフラエンジニアですが、システム障害などのトラブルが起きたときは例外です。
トラブルの原因を素早く解決し、システムを再開させなくてはなりません。
エンジニアの腕の見せ所でもあるのですが、大きなシステムであればあるほどその緊張感は計り知れないものとなるでしょう。
・日夜関係なく出勤・作業させられることも
インフラの仕事はサーバーの保守運用。そしてそのサーバーはユーザーの事を考えると24時間休まず稼働していることが理想です。
しかしサーバーを管理する身としては新たなソフトをインストールしたり設定を変更するだけでサーバーの再起動が必要だったりします。
なので利用する人のことを考えるとなるべく利用者が少ない時にシステムを止めたりする必要があるわけです。
つまりは普通の人にとっては休日だったり深夜帯だったりの作業や出勤が必然的に多くなります。
それに先ほどのシステム障害なども加えてインフラエンジニアは人が活動していない時間帯に働いたり呼び出されたりする辛い側面もあるのです。
未経験からインフラエンジニアになれる?
未経験からインフラエンジニアになることは可能です。
未経験の人はまずインフラの運用保守の仕事から任せられることになるでしょう。そこから経験・知識を積み設計や構築等の仕事に上がっていくのが一般的なインフラエンジニアのキャリアパスです。
要求される知見も幅広くあまり一般的とは言えないものなので、会社で勉強しながら経験を溜めていくというスタイルが一般的な様です。会社によっては何十万もする受験料の資格を無料で受けさせてくれたりもします。
上流工程で要求されるスキル
インフラエンジニアの業務フローは概ね次のようになっています。
設計:要件定義や設計書の作成
↓
構築:インフラ機器の発注、ソフトウェアのインストール、ソフトウェアの設定・機能の追加、動作テスト
↓
運用・保守:障害対応やキャパシティ管理
インフラエンジニアになりたての場合、大抵は携わりやすい運用・保守を任されることが多くなります。
キャリアの向上を目指すなら経験を積みつつスキルや知識の習得をせねばなりません。
具体的に言うと要件定義において顧客の目的や要望を理解し、その為の機能を要件に落とし込む為のビジネスコミュニケーションスキル。
もう一つは自分だけでなくチームのメンバーも見て理解することができるドキュメントの作成スキルです。
開発SEなどと同じくインフラエンジニアもキャリアアップしていくためには他者との共感能力を磨く必要があるのです。
軽量化プログラム言語も習得し給料アップを狙おう!
AWS、GCP、Azureといったクラウドサービスの登場によって、物理サーバーではなくクラウド環境にインフラを構築する企業も増えてきました。
これまでのオンプレミス(物理的なインフラ機器を自社で運用管理する手法)的な方法ではなく、この流れにインフラエンジニアも移行せねばなりません。
従来のシェルスクリプト言語だけでなく、Python・Ruby・Javaといった軽量プログラミング言語や、クラウドサービスの基礎になっている仮想化記述、有名なクラウドサービスの知識を身につけていく必要があるでしょう。
技術の習得に腰が重くなっているかもしれませんが、こうしたクラウド関係の単価は、トレンドの技術ということもあり一般的なインフラ関連の単価より高く設定されている様です。
実際、レバテックの求人情報をみても、インフラ関連の単価は平均してつき60万円~70万円といったところなのに対し、AWSなどのクラウド関連のサーバー構築などの仕事は月80万円以上の単価が多く、給与面でみても魅力的になっています。
これらのスキルを習得し高給取りのインフラエンジニアを目指しましょう。
インフラの仕事はフリーランスにもマッチしている
ITインフラのお仕事は前述したように業種間を問わないのでスポットの仕事も多く、フリーランスのエンジニアにとっても案件自体が多いので仕事に困るということはまずありません。
クラウドなどの影響により以前より裏方の仕事という穿った見方も無くなったインフラエンジニアの仕事にぜひチャレンジして見ましょう。