今回は、フリーランスのwebデザイナーの年収について調べていきたいと思います。
まずはwebデザイナー全体の賃金状況を厚生労働省のデータから男女別、年齢別に見ていき、その後、フリーランスのwebデザイナーの年収を独自に集計し、詳しく比較していこうと思います。
今回の目次
webデザイナーの平均年収
厚生労働省が毎年発表している賃金構造基本統計調査によると、2017年のデザイナーの平均年収は次のようになっています。算出方法は、「きまって支給する現金給与額」という欄の数字を12(ヵ月分)でかけた額に、「年間給与その他特別給与額」(いわゆるボーナスその他)を足して計算しました。
(デザイナーという大まかな括りになってしまっている理由は、webデザイナーという括りが無いからです。なので、紙媒体のデザイナーや建築デザイナーなんかも含まれていると思われます。ご了承ください。)
平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年収 | |
デザイナー(男) | 38.6歳 | 10.2年 | 約498万円 |
デザイナー(女) | 34.3歳 | 7.5年 | 約379万円 |
もう少し詳しく、年齢別に比較してグラフにすると以下のようになります。
デザイナー(男)の年齢別年収推移
デザイナー(女)の年齢別年収推移

こちらの表を見ると、大体45〜55歳をピークにして徐々にWebデザイナー年収は上がっていき、そこからは下降傾向なのが分かります。
企業の規模も年収に関与する
年齢とは別の指標に、勤めている企業の規模というのが年収に大きく影響していきます。
参考にした厚生労働省のデータは、さらに細かく企業の従業員数別の規模を区切ったデータが乗っており、上の図は会社の規模を無視した総合の数値なのです。
一般的に、会社の規模が大きく(大企業)なるほど平均年収は上がっていく傾向があります。
昨今はIT業界の市場価値が上がっている傾向にあるので、零細・中小企業に勤めているwebデザイナーは年齢に応じて転職を考えても良いかもしれません。
平均年収の落とし穴に注意
平均年収のグラフをみて、IT業界に身を置いているwebデザイナーは、
「SEやプログラマーなんかと比べて、スキルを評価してもらえない印象のデザイナーだけど、思ったより悪くはないな。ピークが45〜55歳というのも一般的だし。」
なんていう印象を抱いたかもしれません。
しかし、上の平均年収推移データは、労働者数という大事な項目が抜けているのです。
ちなみに、厚生労働省の統計対象となった年齢別の労働者数はこちらになります。
デザイナー(男)の年齢別労働者数(統計上)

デザイナー(女)の年齢別労働者数(統計上)

上の図を見てもらうと分かる通り、男性においては40〜45歳をピークにごっそりと、女性においては25〜29歳をピークに徐々に減少していっています。
男女ともに50歳以上のwebデザイナーの人数的な割合はごく少数となっているのです。
このことが何を示しているかというと、年齢的に高いデザイナーはデザイン技術が認められて、社内で重要なポジションにつき、年収的にも満足できるものとなっているが、大多数の人は30歳〜45歳くらいの年齢を目処に引退もしくは転職している可能性が高いことが推定できます。
webデザイナーが年収をあげるためには?
webデザイナーが年収をアップするためには、プログラマーがSEになるように、webディレクターやwebプロデューサーになるという道があります。
つまりは制作側の人間ではなく、現場とクライアントとの間の折衝業務をメインとした職務につくわけです。
プログラマーよりもSEの方が給料的に優遇されているように、webディレクターやwebプロデューサーといった役職の方が、やはり年収も高くなっていきます。
フリーランスでwebデザイナーになって年収を上げる
突出したデザイン、多くの人に認められるデザインを作り上げることができると自負しているwebデザイナーは、独立を果たして、フリーランスのwebデザイナーになることをお勧めします。年収1,000万円越えも夢ではないでしょう。
若い頃からデザイン会社などで腕を磨きながら、様々な人脈を作っていくことを心がけましょう。独立してから一から自分で営業しにいくのは大変です。
現在では、クリエイター職に特化したフリーランス向けのエージェントというのもあります。クライアント探しに自信がない人は、こちらを利用して見てはいかがでしょうか?
web・ゲーム業界のクリエイター専門エージェント
フリーランスwebデザイナーの平均年収
こちらのレバテッククリエイターさんのサイトにてフリーランスのwebデザイナーの単価を計算して推定年収を割り出してみました。
計算方法はこちら↓↓
全てのwebデザイナー(フリーランス)の掲載求人(2018年8月13日時点)に掲載されている単価(月ごとの報酬です)の平均に12を掛ける。
そうやって割り出すと大まかなフリーランスの平均年収は想定できます。
フリーランスwebデザイナーの平均年収
レバテッククリエイターに掲載されている情報を元にフリーのwebデザイナーの平均年収を計算すると次のような結果になりました。
696万円(男女問わず)
もちろんこの数字は、社会保険等の数字は含まれていませんのでご注意ください。
とはいえ、会社に属している場合の男性の一番年収の高い年齢層の平均年収でも約681万円なので、この数字はかなり魅力的だと言えると思います。
まとめ
■webデザイナーは30歳〜45歳を目安に身の振り方を考える
■一つの道はwebディレクター、webプロデューサーにキャリアアップすること
■大企業に転職するのも年収アップのきっかけになる
■デザイン力に自信のある人は、フリーランスになることも視野に入れる