女性エンジニアのキャリアプランはこう考える!

女性のキャリアプランをどう考えるか…。かつてに比べればだいぶ選択肢が広がり自由になってきました。しかし、だからこそ悩みも増えましたよね。どんなに世の中が変わっても結局、出産は女性しかできません。そうなると、結婚、出産、育児といったライフイベントを前にすると女性には常にキャリアと自分の人生とのバランスをどうとるか、という問題がつきまとってくるのです。

かくいう私も30代女性、1歳6か月の子どもを持つワーママとしてキャリアプランに悩む一人です。

そこで今回は女性、特に女性エンジニアのキャリアプランについてどう考えれば良いか解説していきたいと思います。エンジニア以外の方にも参考になればと思います。

なぜ女性エンジニアがキャリアプランを描きにくいか。

残業が多い

エンジニア業界もだいぶ働き方改革が進んでいるものの、やはり残業が多い業界であることは言うまでもありません。特に中小企業では人で不足も相まってなかなか時短で働ける会社は多くはないのが現状です。

平成30年7月に出された職種別賃金・労働時間分布 のグラフがわかりやすいので引用させていただきます。

情報通信関係のグラフを見ると2005年に比べて2016年には180時間を超えて働く労働者の割合が減っていることがわかります。しかし、保育や介護関係と比べると長時間労働者の割合が高めであることもわかります。

この通り、エンジニアは残業が減っている人がいる一方で変わらず多いままである人も少なくないのです。

職種別賃金・労働時間分布 雇用政策研究会 第4回資料 平成30年7月20日

男性の割合が多い。

エンジニアは言うまでもなく男性の割合が多いです。こちらも女性エンジニアは増えていますがまだまだ職場に数えるほどしかいないというケースも珍しくないかと思います。

2018年の情報サービス産業基本統計調査によると従業員のITエンジニアの男女比率について男性80.7%、女性19.3%というデータがあり、圧倒的に男性が多いのが現状です。

男性が多いとどうしても以下のようなデメリットが生じてきます。

〇時短勤務や子育てとの両立に理解がない

〇重要な仕事や管理職にはフルタイムで働ける男性を優先しがち

これではなかなかエンジニアとしてのキャリアを考えることはできませんよね。

長期休みを取るとスキルが落ちてしまうという不安があり復帰に消極的

エンジニアは言うまでもなく自分で培ってきたスキルが重要になる仕事です。ただでさえ技術の進歩が激しい業界の中で育児などで長期休みを取ると復帰してもそれまでと同様にやっていけるかどうかと不安に感じる方も少なくありません。

その結果仕事を辞めてしまったり、そもそもなるべく長期休みを取らずに早々に復帰したりという方が多いようです。

女性エンジニアの働き方

それではそういった女性エンジニアのキャリアをどう考えればよいのでしょうか。

基本的にはキャリアについて問題視されるのは、結婚・出産・育児・介護などのライフイベントの時です。こういった家庭の部分と仕事の部分をどう両立させていくのが良いのか…。

まずはご自身で仕事と家庭のどちらを重視したいのか、もちろん両方というご意見もあると思いますので、それも含めてしっかり考えてみてください。

もちろん既に結婚されている方や目の前に見えている方はパートナーともしっかり相談していただければと思います。

人間誰しも時間は有限ですので、自分の時間の何%を仕事に充てて、何%を家庭に充てて、そして何%を自分自身の時間に充てたいのか、ということが重要なのです。

もう少し細かく言うと、子どもが小さい内と大きくなってからではまた違うかもしれません。実際のライフイベントに直面するときのあなた自身の年齢でも違うかもしれません。

せっかく今キャリアについて考えるきっかけがあったのだと思いますので、できればこの先の長い人生をどのように生きていきたいか、今目の前のことだけではなく、できる限り先のことまで考えてみることをお勧めします。

キャリアとは仕事のことだけではなく人生全体のこととしてとらえることだからです。

さて、自分の人生で重視したいことが決まったら、はじめに3つの就業形態について見ていきたいと思います。

派遣もしくは常駐型フリーランスで働く

これは、家庭や自分の時間を重視したいけれども仕事もそれなりにやりたいという方にお勧めです。派遣やフリーランスの良いところは何と言っても時間の融通が利く点です。特にエンジニアは案件も多いですし、時短や週3日、4日で働くことも可能です。実際、エンジニア以外の方でも結婚や出産を機に派遣に登録されたり、フリーランスで働かれたりする方はとても多いです。

派遣とフリーランスの違いについても説明します。

派遣は派遣会社に雇用されて、その派遣会社から派遣されて別の会社で働く形態です。このメリットは確定申告などの事務の必要がないことや社会保険にもきちんと加入できることです。また、派遣は労働時間に対して賃金をもらうという働き方ですので働いた時間分の給与がしっかり払われることになります。万が一残業が発生することがあればその分きっちり賃金として支払われます。

フリーランスは個人事業主としてどこに雇用されることもなく働く形態です。仕事を探す際はエージェントを使って紹介してもらうことができますがエージェントは派遣会社と違ってあくまで営業代理店のようなイメージです。メリットとしては月額の単価が高い案件が多いことです。ですが注意していただきたいこともあります。フリーランスは納品物に対して賃金をもらうという働き方ですので、就業時間は月額で140時間~180時間、というように幅を持たせています。つまり同じ月額の報酬をもらうとしても、ご本人のスキルが高くて早く仕事を終えられるなら140時間でその額がもらえるし、仕事が遅ければ180時間かかってその額がもらえるという仕組みなのです。

フリーランスのほうがよりスキルを要する働き方と言えますので注意してください。

また社会保険や確定申告を自分でするなど必要な対応もあります。

派遣と常駐型フリーランスのどちらが良いかはご本人のスキルと事務的な対応をどこまでできるか、もしくは月額の単価と手間のどちらをとるか、などで決めるのが良いかと思います。

クラウドソーシングで働く

次にクラウドソーシングです。こちらもフリーランスとして働く形態ですが、1番と圧倒的に違うのは在宅勤務である点です。これはエンジニアのメリットとも言えますが、エンジニアはPC1台あればどこででも仕事ができます。デメリットはクラウドソーシングだとスキルを高められる案件が少ないことです。なので最も家庭を優先したいと考える方にお勧めです。

正社員で働く

仕事を最も優先して考えたいという方にはやはり正社員で働くことがお勧めです。

もちろんフリーランスや派遣でもご自身のスキルや努力次第で正社員以上の仕事をできる可能性はありますが、そこまでやれるのは一部の人ではないでしょうか。

やはりまだまだ正社員として働いた方が様々な案件に携われたり、大きい規模の仕事ができたりとできることが多いと思います。

とは言え、この記事を読んでくださっているということはご自身のキャリアに悩んでいる=今の会社でキャリアを積むのが難しい、働きづらいということだと思いますのでこのまま正社員として働いていきましょう、と言われても何も解決しませんので2つお伝えします。

  • 働きやすい会社を探す(転職)
  • サポートを利用する(今の会社で継続して働くために)

では上記の2点について詳しく見ていきましょう。

  • 働きやすい会社を探す(転職)

今、転職するには絶好のタイミングです。求人情報・転職サイトのdodaによると2019年10月の転職求人倍率は全体で2.52倍なのに対してIT・通信は、なんと7.05倍と圧倒的に求人数が多い状況なのです。(https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)

そして今は働き方改革が叫ばれている時代。働き方が改善している企業はとても多いのです。例えば「IT業界の働き方・休み方の推進」というサイトでは次のような調査結果があります。

〇直近1年間の月平均所定外労働時間は「20時間未満」が49%

〇直近1ヶ月の所定外労働時間が80時間を超える従業員はいない企業が60%

〇1ヶ月あたりの所定外労働時間改善した企業は64%

〇1ヶ月あたりの所定外労働時間が80時間超えの従業員比率は改善した企業が58%

〇有給休暇取得率が改善した企業は54%

「IT業界の働き方・休み方の推進」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/it/analysis.html

この調査を見ただけでも希望を持てませんか?

働きかた改革を意識している企業は増えてきているのです。そういった企業であれば結婚後や出産後も働きやすい可能性が高いかと思います。

以上のような点から両立しやすい職場を探して転職をするというのも一つの手だと思います。

  • サポートを利用する(今の会社で継続して働くために)

もし今の会社では両立は難しいとしてもそれでも今の会社で働きたいという場合、サポートを徹底的に利用する方法をお勧めします。

今は何でも自分で抱え込む時代ではありません。できない部分はどんどん外部委託してより良い生活を送ることを考えて良い時代です。

そのためのサポートには以下のようなものがあります。

一例ですのでご自身のご状況に応じて他にも使えるサービスがないか調べてみると良いかとおもいます。

〇家事代行サービス

料理、掃除、整理整頓、子どもと遊ぶなどいろいろな家事代行サービスがあります。

私も掃除や整理収納の家事代行を何度かお願いしています。

家がきれいだと心にも余裕が持てますよね。

〇保育園、幼稚園+預かり保育

保育園はまだまだ待機児童も解消されず、そもそも保育園に入園できなかったら…という不安を抱えている方も多いかと思います。

しかし保育園以外の預かりサービスもありますのでぜひ調べてみてほしいと思います。

例えば、幼稚園+預かり保育に預けるケースです。

共働き世帯=保育園と考えている人は多いと思いますが、今は幼稚園に預ける人も少なくありません。

「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動(いわゆる預かり保育)及び子育ての支援 関係資料」によると平成26年時点の調査で預かり保育を実施している幼稚園は全体の82.5%であった(公立:60.9%、私立:95.0%)という調査結果もあります。(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/057/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/04/07/1368680_01.pdf

〇ファミリー・サポート・センター事業

例えば幼稚園や延長保育のない保育園に入ったとして送り迎えの時間が厳しいという場合や子どもが病気の時にどうしても仕事が休めない場合、この事業はとても便りになります。

どういった事業かは厚労省のHPを抜粋させていただきます。

ファミリー・サポート・センター事業は、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受けることを希望する者と当該援助を行うことを希望する者との相互援助活動に関する連絡、調整を行うものです。

対応してくれることは以下のような内容です。

・保育施設等までの送迎を行う。

・保育施設の開始前や終了後又は学校の放課後、子どもを預かる。

・保護者の病気や急用等の場合に子どもを預かる。

・冠婚葬祭や他の子どもの学校行事の際、子どもを預かる。

・買い物等外出の際、子どもを預かる。

・病児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急預かり対応

厚生労働省 子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)についてhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ikuji-kaigo01/

要するに地域の「子どもを預かったり面倒を見たりしたい」という方と「子どもを一時的に見てほしい」と思う家庭とをマッチングしてくれるサービスなのです。

私も子どもを産んですぐの頃、体調を崩しやすくなってしまって何度か高熱を出しましたので自分が病院に行く間にファミサポの方に子どもを預けたことがあります。

ファミリーサポートに登録される方は基本的には子育ての経験のある方や子どもに関わるお仕事をされていた方なので安心して預けることができます。

エンジニアとしてのキャリアプラン

ここでは働き方とは別にエンジニアとしてのキャリアプランについて考えていきたいと思います。

エンジニアとしてのキャリアプランは主に3つに分かれます。

現場スキル(技術スキル)を高める。

これは言うまでもなく技術スキルを高めていく方法です。

メリットは技術が大好きという方にはとにかく自分の好きな技術を勉強していくことができますし、コミュニケーションが苦手な方でも高めやすいスキルかと思います。

デメリットはどうしても年齢が高くなっていくと技術スキルの習得力は衰えがちになってしまうことと、世の中で求められるIT技術は変化していくためそこについていくのが大変という面はあります。

マネジメントスキルを高める。

これはいわゆるプロジェクトマネジメントのスキルを高めることです。プロジェクトマネジメントとは案件全体を把握するだけでなくメンバーの状態も把握し、適切にプロジェクトが進むように舵を取る役割です。マネジメントスキルを高めることは一つのプロジェクトを見るだけでなく、課長や部長など管理者としてキャリアアップをしていくことが出来ます。

プロジェクトの全体を見たり、方針を立てたりすることやお金の面まで含めて考えること、もしくは後輩の育成などが好きであればマネジメントの方面に進むのは合っているかもしれません。

セールススキルやコンサルタントスキルを高める。

女性は男性に比べてコミュニケーションスキルが高い方が多いので、こちらのポジションではより活躍される方が多いのではないでしょうか。

お客様と話しをして、要望をヒアリングして要件定義を行うというプロジェクトの根幹ともいえる大切な部分を担うことができるポジションです。

お客様とコミュニケーションをとることや企画が好きであれば向いているかもしれません。

いかがでしょうか。

ただキャリアップと言っても様々な方向にキャリアを進めていくことができますので、自分がどういったスキルを付けていきたいか、どういうエンジニアになりたいか、しっかりイメージしていただければと思います。

まとめ

最後に言いたいのは、女性だからと言って仕事でのキャリアをあきらめる必要はない、ということです。要は優先順位を決めることが大切なのです。そしてどういう人生を送りたいか、というイメージをしっかり持つことです。もちろんそのイメージは実際に様々なライフイベントに直面すると変化するかもしれません。それはそれで良いと思います。

一度思った方向にずっと進まなければいけないということはありません

ただ、それでも今現時点ではどうしたいのか、をしっかり考えておくとその考えが変わったときにもちゃんと次の考えを選択できるようになると思います。

ぜひあなたにとってより良いキャリアプランを選択していただきたいと思います。

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